For People with Disabilities

発達障害の学生の就職、連携してサポート

発達障害のため、なかなか就職が決まらない学生を大学と民間の就労支援事業所などが連携して支援しようという取り組みが、関西で始まった。今年2月には、大学が蓄積している学生の得意なことや配慮すべき事情などの情報を的確に企業に伝えるシステムを使った初のマッチングイベント「みんなでサポート就活」を実施。会社見学やインターンシップを経て、企業側は発達障害を抱える学生たちの適性を見極め、学生も働きやすい環境を探す取り組みだ。(加納裕子)

■支援者が見守る就活イベント

 2月下旬、大阪市北区の関西大学梅田キャンパス。大ホールに、リクルートスーツを着た学生22人と、障害者雇用を行う関西企業5社の人事担当者、自治体や大学、民間の就労支援者らが集まった。

 発達障害者の就職にあたっては、他の多くの学生と同じ条件で企業に応募する「一般雇用枠」と、障害者手帳を取得し、周囲の人から配慮を受けながら働く「障害者雇用枠」がある。マッチングイベントは事務系職種の障害者雇用、一般雇用、IT職種の障害者雇用-に分けて3日間行われ、初日のこの日は事務系職種の障害者雇用が対象だった。

 企業のPRタイムでは、自然派商品などを手がける「サラヤ」(大阪市東住吉区)の担当者が「障害者は営業の生産性向上につながり、戦力になる。皆さんのパフォーマンスを発揮できるようサポートしています」とアピール。ポンプの製造などを行う「鶴見製作所」(大阪市鶴見区)の担当者は「在宅勤務なので、通勤や人間関係がありません」と特徴を説明した。その後、各企業のブースを学生2~3人ずつのグループがまわり、面談した。

 企業側には、大学の支援担当者が学生一人一人について長所や苦手なこと、必要な配慮などを記した資料が渡されており、面談は終始、和やかな雰囲気。学校や福祉施設などで給食サービスを展開する「日米クック」(大阪市北区)の総務部長は「外食産業は人材確保に四苦八苦しており、いろんな方に働いていただきたい。こうしたチャンスはありがたい」と話した。

 京都外国語大学4回生の女子学生(22)は「昨年の3月から就職活動を始め、まわりはみんな就職が決まっているのに、私は終わっていない。地獄やと思っています。早く就職活動を終わらせないと」。

龍谷大学を今春卒業予定の男子学生(23)は「自分自身、発達障害で対人関係に難しいところがあり、いくら気を使ってきちんとやっているつもりでも、意思疎通ができていないかもしれない」とこれまでの就職活動を振り返り、「今日のように話しやすい環境で企業の人と対話できると安心できる。働きやすい環境のところに就職できれば」と話した。

■大学での最後の壁、就職活動

 日本学生支援機構が平成29(2017)年度、全国の大学と短大、高専計1170校を対象に行った調査によると、障害のある学生の割合は約3万人(約1%)で、うち約5千人が発達障害(診断書あり)だった。平成22年度卒業の学生の就職率を調べた別の調査では、全体の就職率60・9%に対し、発達障害(診断書あり)の学生は26・6%と、就職しにくい状況が明らかになっている。

 発達障害に悩む、さらに多くの学生が、就職の“壁”に当たっている可能性は少なくない。調査はいずれも診断書がある学生についての統計だが、関西の私立大で障害学生支援を続けるコーディネーターの女性は「発達障害があっても、診断されていなかったり、自覚がなかったりする学生もたくさんいる」と話す。

 この女性によると、診断書があってもなくても、発達障害のために大学生活や就職で壁に直面する学生は少なくないという。たとえば発達障害の一種である自閉症スペクトラム障害(ASD)の場合、暗黙のルールが伝わらない、会話が一方的、臨機応変な対応や予定の変更が苦手-などの特性があるが、一方で、集中力が高く、学業の成績が良好で、得意な分野で才能を発揮して、スムーズに進学する例もある。だが、大学に入ると自分で決めなければならないことが急に増え、学業や生活、研究室の濃密な人間関係などで悩みを抱えることがある。こうした学生に対応するため、この私立大では、8年前に発達障害の学生を支える専門のコーディネーターを置くようになったという。

発達障害の学生が最後に直面するのが、就職活動だ。コーディネーターの女性は「大学は学習支援も行うが、最終目標は卒業後、ちゃんと働いて納税者になること。それは本人、保護者、支援者が一番不安に思うことでもある。企業の理解が進み、いろんな就職の選択肢ができればありがたい」と訴える。

■不足する専門スタッフ、全国の大学共通の課題

 こうした課題は全国の大学が共通して抱えており、文部科学省は29年度から、障害のある学生への支援を組織的に行うための「社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業」を実施。西日本では京都大を中心としたグループが選定され、大学と自治体、民間の就労支援事業所が連携を進めてきた。

 グループの中心となる京都大学高等教育アクセシビリティプラットフォームの舩越高樹・特定准教授(障害学生支援)は「大学では専門スタッフが不足しているところもあり、行政や民間の力を借りる仕組みが必要。文部科学省の事業が終了しても持続できるよう、体制を整えたい」と話す。

 連携に重要な役割を果たすのが、京都と大阪で発達障害のある人に特化した就労移行支援事業所を展開する株式会社「エンカレッジ」だ。昨年3月、大学が持つ学生の支援情報を企業につなぐITサービス「ブースターキャリア」を開発。大学は企業に対して学生の個人情報を直接開示することはできないが、学生本人が支援記録を企業に公開することで、強みや配慮事項を的確に伝えられる。リリースから1年たった3月15日現在の登録者は学生・求職者約800人、企業95社、大学・支援機関29事業所という。

 同社の窪貴志代表は「データベースや支援者の存在があれば、企業は安心して採用を検討できる。大学からは、理系学生の得意な技術や研究を生かせる雇用を作ってほしいとの要望もあり、応えていきたい」と話している。

以上となります。

ここからは管理人の個人的な意見ですが、学生の就職活動というのは本当に大きなイベントだと思います。管理人は自分ひとりで就職先を決めて、合格して、就職したのですが、もっと色々なアドバイスをもらえたら良かったと思うこともあります。

大学には就職支援課のようなところがありますが、なかなか利用し難かったですし、行ってもそんなにいいアドバイスをもらえたイメージがありません。また発達障害がない学生ですら色々と悩むところなのに、そういった障害を持った人が数十社も落ちたらそれは心が折れて引きこもってしまう可能性もありますよね。

そして就職してから会社に馴染むのも相当に大変で、それで体育会系の学生が人気なわけです。だいたい3年以内に3割の新卒の人はやめてしまいます。私のところも、2年で半分以上辞めました。

そういうわけで、学生時代から就職後も気軽に相談できたり、就職後も相談に乗ってくれる機関があると頼もしいですよね。

以上


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